意外かもしれませんが、ドイツはスパークリングワインの消費においては世界一。
そして消費されるスパークリングワインのほとんどはゼクトと呼ばれるドイツ産のもの。その多くは一次発酵を終えてできたワインをタンクの中で発行させたもので、大量生産が可能なためコストパフォーマンスもよくお手軽に楽しめるのです。
そんな中伝統的な瓶内二次発酵により、上質でより個性的なゼクト造りに力を入れる醸造所が現在増えてきています。ここラインガウ地方でも元々のワイン生産に加え、この地の代表品種であるリースリング種を使って個性的なワイン造りを目指すシェーンレーバーご夫妻にお話を伺いました。
まずゼクト造りに力を入れ始めた動機と経緯を聞かせてください
ゼクト造りにおいて難しい点、ワインとの相違点などをお願いします。
ゼクトはワインと同じ原料を使うといっても作る工程や作業の点で全く別のものです。
まず、二度の発酵過程を経て作られるゼクトにおいてアルコール度数の管理はとても重要です。
当然収穫期も変わってくれてば発酵方法も全く異なります。
またVDP加盟の醸造所としてはゼクト自体にもまた細かな規定があり、最低9か月間の熟成期間が義務
付けられています。もっとも当醸造所では平均して2年程度の熟成期間を設けています。
これらの細かな規定をクリアしたものだけがヴィンツァーゼクトとしての称号を記載できるわけですが、
やはり出来上がった時の達成感はあります。
ラインガウにおける伝統的な瓶内発酵によるゼクト造りにおいての醍醐味は?
やはりこの地方はドイツの中でも高品質なリースリング種が取れることで知られています。
この良質なリースリングを使って伝統的な方法で丁寧に作り上げられるゼクトには、この地方ならではの
すっきりとした酸味とこの品種由来の華やかな香りが他にはない特徴になると思います。
また工程が多く、人の手がより多く必要とされるこの製法で作られるゼクトは、作り手の個性が一段と出るのも
面白いところだと思います。